コラム

本当の健康とはその3”健康を阻害する要因とは”

船戸崇史
皆さん始めまして。今回から4回にわたって、私なりに日ごろ感じ考えている「健康」について御紹介したいと思います。

めだかと人間
さて、ここに1つの水槽があるとします。そこに何匹かのめだかが泳いでいます。このめだかを長生きさせるにはどうしたら良いでしょうか?そうですね、まずは、一匹のめだかの生命力を高めるようにいい餌を与え、同時に水替えを頻回にして環境の整備をしっかり行うことが大切です。ところが、最近はこのめだかが余りに増えすぎました。伴って水質も急激に悪化してしまいました。私たちは、この地球と言う水槽の中で生きている増え過ぎためだかの様なものなんですね。

この様な状況で、一匹ずつのめだか(私たち)の健康を維持増進するには、どうしたら良いのでしょうか?1つには、環境を整備して健康を害する要因を除外する事。2つ目は、私達の体の自然治癒力(生命力)を信じ湧現することしかないですね。

そこで、今回は第1回目として私達の体を害する有害な環境とは、一体何なのかを一緒に見てまいりましょう。

未曾有の環境
ここ40年の間に、私たちを取り巻く環境は大きく変わってしまいました。40年前には聞いたこともないような新物質がお目見えしました。例えば、ダイオキシン。これは、人類始まって以来の最強、最悪の人工毒物です。何とあのサリンの数倍もの毒性があり、
急性毒性として1gで10000人を殺傷する毒性を持ちます。また慢性毒性として肝臓癌、鼻甲介癌などを起こすとも言われています。これが通常の塩ビの買い物袋を庭先で燃やすだけで簡単に出来てしまうのです。また、環境ホルモンも最近注目されています。正確には、外因性内分泌攪乱化学物質と言われていますが、実はダイオキシンもその一つです。極めて少量で、人体に影響を与え、多くは女性ホルモン様に働きます。一番の問題は、この化学物質は、精子の奇形や精子数の減少を招き「子供が生まれない」現象を引き起こしていると言うことです。最初に警鐘を鳴らしたアメリカのシーア・コルボーン博士は、「環境ホルモンによって人類は滅亡する!」とまで豪語したのですから、如何に大変な物質であるかお分かりでしょう。これら、ダイオキシンも環境ホルモンもゴミの問題と切っても切れない関係にあります。

その他には、遺伝子組み換え食品なども以前には聞いとことのない食品ですね。皆さんはなぜ遺伝子組み換え食品が問題になるか御存知でしょうか?実は、遺伝子を組み替えたアメリカ産のジャガイモには虫が付きません。なぜでしょうか?答えは簡単。遺伝子を組み換えて、ある細菌の猛毒の遺伝子をジャガイモに組み込んだからです。つまり、虫がジャガイモを食べれば死んでしまう。だから虫が付かないジャガイモなんですね。虫が食べて死ぬものをなぜ人が食べて安全と言えるのでしょうか?実は他にも、フロンガスによるオゾン層の破壊は紫外線Bを増加させ皮膚がん、白内障が増加していると報告されました。また自動車の排気ガスは、地球温暖化だけではなく、気管支喘息やアレルギーの増加という形で人体に影響を与えていることも判って来ました。その他に、食品添加物や電磁波と癌化の問題なども環境因子として挙げられるでしょうね。

環境問題とは原因?結果?
しかし、大切な事は、これら環境問題とは目に見える結果として立ち現われた問題でしかないと言う事です。原因が他にあると言う事です。原因は、なぜこれらの環境が悪化してきたかを考えると少しずつ判って来ます。我々は、人の健康を祈って遺伝子を組み換え食品添加物を入れたのでしょうか?ダイオキシンや環境ホルモンの元であるゴミとは一体何でしょうか?こうして考えてゆくと、どうも環境を悪化させてきた原因の一つには、安全より利益を追求した経済至上主義という価値観がありそうです。つまり、「儲けたい」と言う「欲」ですね。それが便利、快適、流行という形に変わると判らなくなってしまう。

私たちは、一体何のための経済かを今一度、再確認する必要がありそうです。経済は大切ですが、それ以上に健康が大切であるという事、まず健全なる精神、肉体があっての経済であることの序列をはっきりさせる時が来ているようです。もし神がいるとすれば、ダイオキシンも環境ホルモンも、それを我々に教えてくれるためのプレゼントであったと言う事を気が付く必要がありそうですね。