コラム

やっと書きました

船戸崇史

皆さん、こんにちは。やっと書きました(私は、筆無精なのです)「大きな遺産」を読まれた在る方から、早々次のようなメールを頂きました。とっても、励まされる内容でしたので、嬉しくなって、本人の了解もなくこの様に公開してしまいました。
この様に、皆さんから意見を頂けますと、狭い世界しかみれない私も(と言うより、医者は大方皆同じ様なものだと、勝手ながら思っていますが)、本当に勉強になりますし、何と、日頃の診療に大きく影響するのですね。これが。ですから、どんどん、意見をお寄せ下さい。全てに、ご返事は出来ないかも知れませんが、私は、飯田先生と違って暇なので(比べる方が可笑しいしそれでも書かないのを『筆不精』といいます)、極力ご返事したく思っています?。

「久しぶりの更新をとても心待ちにしており、更にそのエッセイがとても感動的でしたので二重のうれしさです。
あきらめの本当の意味を知りました。確かにその通りだと思いました。又あきらめると言うのはとてもスケールの大きい事なのだと改めて思いました。
なぜなら、それは宇宙の意志に任せる、と言う事で自分の周りで起きていることを宇宙現象だと捉えることだからです。悪い事も良い事もすべて自分の思い通りにならない。お天気のように、自然現象だと思うと腹が立たない。そう自分に言い聞かせてもなかなかその境地に達する事は出来ないのが実情です。明らかに見るというのは全て宇宙現象であり、自分自身もその一部でありつつ、どう生きるかを考え、自分のこの宇宙での役割も認識しているという事でしょうか。それが、先生の言われる「願い」であり、「意志」と言う事なのかなと思います。
私自身も誰が見ていようといまいとこれだけはしたくない、言い方は変ですが下品な人間、下品な女にはなるまい、と決めている事があります。ただそれが、果たして先の事例のお嫁さんのような立場に自分がなったとき、今までどうりそれを実践する自信は正直全くありません。きっと、お嫁さんもいろいろな過程を経て悩み苦しみながら努力をしたのだと思います。私などには想像できないほどの苦しみだったに違いありません。しかもそれを一言も自分で話すこともなくごく自然に振舞うのはお嫁さん自身からも仏様を感じます。更にそれが子供に孫に伝わっていく。エネルギーをもらった人は又それを次々に伝えるのですね。だからこそ、良いものを伝えなければいけないのですね。
私は先生のエッセイからとても大きな良いエネルギーをいただきました。ありがとうございました。いただいた私が少しでも又誰かに伝えるように出きればと思います。」

素直なお気持ちが、本当にじゅわーと、伝わってきますね。
本当に、自分につらく当たった人を許すとは、大きな会社を作るより増して大変な事業だと思います。それが出来る人は、少ないと思っていましたが、在宅の現場では本当に多くの家庭でこの様な状況を かいま見せていただくことが出来ます。しかも、肩に力が入っていない。本当に驚きです。

これが、たまたま岐阜の養老の地域だけではないでしょうし、私が往診している患者さん宅に限ったことではないと思います。そういった、良い意味での「あきらめ」をしておいでの在宅ケアは、本当にやり甲斐もあるものです。が、同時に私達の態度一つで、また、違った意味での「あきらめ」を、助長するかも知れない事を、肝に銘じたいです。有り難うございました。

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